脱ステ体験記
僕がブログを初めてから今まで、大変多くの脱ステ経験者の方からメールを頂きました。
皆さんの脱ステ当時のお話を読むと、とても辛く、胸が張り裂けそうな思いになります。
脱ステをし、脱「脱ステ」をしてから何年も経過するのに、心の傷が癒えていない方が本当に多いですよね。。。
心に大きな傷を残す「脱ステ」
たとえ成功しても、人生の多くの時間を皮膚科医とステロイドに恨みを抱いて過ごす方が多い。
誰かを恨んだまま、復讐を考えながら毎日を過ごすのは、きっと闘病中よりも辛い時があるんだろうな。。。
今日はある方の脱ステ体験談を紹介させてもらいます。
。。。
最初に頂いたメールがとてもインパクトのあるものでした。
「はじめまして。
私はアトピー患者です。
10年前に脱ステ経験をしてもう人生終わったかと思うような経験をしました。」
Cさんのまわりには脱ステ経験者が何人もいたのだそうです。
脱ステをして皮膚がズルズル剥けていくのを目の当たりにして
彼女自身もステロイドが恐くなってしまいました。
彼女のアトピーはもともとコントロールも良く
「当時私の症状は、外用を使いまくってましたが、見た目にはアトピーなんて分からない状態でした。
顔は皮膚が薄くなって毛細血管が浮いていましたが...
腕や膝裏の関節にちょっと出るくらいと、手の指に湿疹が出てるくらいでした。」
ステロイド長期使用による皮膚局所の副作用だけだったんですね。
(ちなみに、現在では皮膚が薄くなった部分はプロトピックに変更することで、正常な皮膚に戻っていく症例が多く見られます)。
それでもステロイドが恐くなってしまった彼女は脱ステを決意します。
有名な脱ステ医のもとに訪れ、今まで行っていた標準的な治療をやめてしまいました。
「そこからが地獄の始まりでした。」
「初めは両腕が真っ赤にパンパンに腫れた状態ですんでいました。
そこで入院したところ、あまりの酷い患者さんが沢山でまたまたビックリしました
。
おまけに私の顔は湿疹が無く綺麗だったので、そういう患者さんに僻まれ嫌味を言われ...
もうパニックになってしまいそれから、全身から汁がでて、顔も真っ赤になり、あんた誰?みたいな感じでした。
新婚で楽しいはずの時期にこんな姿になり、主人や義父母に申し訳ない気持ちでいっぱいになったり、
こうなったのはストレスが原因なんだから姉のせいだとか旦那のせいとか人のせいにしまくっていたり、
もう訳が分からない状態でした。
痒くて痛くて汁が出てもうしんどくって毎日が地獄でした。
入院したからといって良くなる訳でもなく...
逆に酷くなりました。」
多くの脱ステ経験者の方が同じようなことを体験し、心に傷を負ってしまいます。
「入院生活も人間関係が嫌になり自宅療養に切り替えました。
それでも一向に回復の兆しが見えず、もう毎朝目が覚めるのが苦痛でした。
それから一歩前進すれば二歩後退って感じで5年くらいは象の様な皮膚と指から出る汁が止まらない状態でした。入退院も3回くらい繰り返しました。」
とても辛かったでしょうね
よく頑張ったと思います。
このようにアトピーが悪化した状態を、ステロイドのリバンドのせいとして
治療もせず放置している脱ステ医を多く見受けます。
僕は、当時の脱ステ医がどんな治療をしていたのか聞いてみました。
「治療方法は全くこれといったものはありませんでした。
痒ければ掻い良いし、食べ物も制限なく、外出も自由でした。
ただ、皆脱ステ中でズルズルなのでその処置も重症患者以外は自分でしていました。」
スキンケアの指導はあまりされていなかったのですね。
それよりも、ここの先生はアトピーの原因はストレスにあると考えていたようです。
(もちろんストレスもアトピーの悪化の原因の一つですが。。。)
皮膚の治療やアレルギーの治療より、カウンセリングを中心にしていたようです。
「只1つ入って必ずした事は自分史を作り、アトピーの状態と照らしあわす作業でした。
基本ストレスがアトピーの悪化と比例するという考えでした。
だからストレスと上手く付き合えるようにとか、自分を見つめ直す事で気づかすと言う感じでしょうか...
今思えば、駆け込み寺的なもので、何でもストレスが悪いで済ましていたような気がします。」
昔、胃潰瘍の原因はストレスだと考えられていました。
しかし、医学が進歩し胃潰瘍の多くはピロリ菌という菌の感染によって起こることが解ってきました。
医療者は時として、原因の解らない病気をストレスのせい、と決めつけてしまうときがあります。
確かにアトピーはストレスで悪化します。
しかし、それが全てではないことも確かです。
もちろん、アトピーにおけるストレスや心の問題を考えた場合
心のケアを含めて治療をすることはとても大事なことだと思います。
でも、それは皮膚を良い状態に保った上でのことなんですよね。
かゆみが強かったり、皮膚の状態が悪い時に、自分の気持ちと向き合うことは、一部の強靭な精神力を持っている人にしか出来ません。
多くの脱ステ医が、皮膚科医は皮膚しか見ない、と言いながら
皮膚はおろか心すら見えていないときが多いように感じます。
辛い辛い脱ステをして
果たして本当に心は健康でいられるのでしょうか。。。
僕は、「今、脱ステを振り返ると、当時のことをどう思うか?」聞いてみました。
「ブームに乗せられた感があります。
時々悪化してしんどくなると、あの時してなかったらこんな事になっていなかったのかなとか。
正直後悔していますが、そんな事を今更思っても仕方がないなと言い聞かせている感じです。
あれから10年経ちましたが心には大きな傷として残ってるんですよね...
しかし、あの悲惨な時期があるのである程度のことには動じないようにはなりました。」
現在も当時の主治医の先生と交流があるようです。
(Cさん)「あの脱ステブームは何やったん?」と聞きました(笑)
(当時の主治医)答えは「何やったんやろう...」でした(笑)
お医者さんも、患者さんも、ある種の宗教のように洗脳され、治療に関わっていたんですね。
最後に「脱ステをしようとしている人、している人に、経験者としてどんな言葉をかけるのか。」聞いてみました。
「はっきりいって「するな」と言いたいです。
私はあれで体がおかしくなってしまいました。
もしかしたらしなくても、おかしくなっていたかもしれませんが...
今もアトピー以外に体調が悪くて本当にしんどいです。
ただ、ステロイド=悪いと思っている人には何を言っても聞き入れないと思います。
実際私も医者ではないので何とも言えませんが...
私は脱ステで綺麗になった人もたくさん見ています。
でもその後のことは知りません。
当時知り合い交流のある人はやっぱり波があり苦しんでいます。
だから私は地獄が待っているだけだと思います。
だからもし少しでも迷いがあるのなら思いとどまってほしい。」
それから追加でこんなことも言われました。
「自分の顔が変わるので暫く忘れてしまうので、
綺麗な時の写真は撮っておいた方が良いです。
下手すると元に戻りません...」
決して脱ステ=アトピー完治ではありません。
本当に、苦しい思いをして、脱ステをする意味はあるんでしょうか?
ステロイドはお薬です。
良いところもあれば悪いところもある。
良い面をまったく無視して
不必要な不安をあおり
アトピーの悪化をすべてステロイドのせいに片付けてしまう「脱ステ」
僕はやはり脱ステはするなと言いたい。
はやまるな、と注意したい。
自分の体験談をこのブログに掲載することを許可してくださったCさん。
本当にありがとうございました。
辛かったときのことを思い出して、それを自分の言葉で表現することはとても苦しいことだったと思います。
それでも、
あなたが話してくれた体験談は
きっと多くの方の役に立つものだと思います。
人生はいつだってやり直しがきくものです。
あなたが脱ステを選んでしまったことを悪いことではありません。
脱ステを通して学んだことも沢山あると思います。
そして、今、当時のことを客観的に見れているあなたは、とても強い心の持ち主だと思います。
きっと僕が同じ経験をしても
誰にも話せずにいるだろうな。。。
今回の体験談を読んで、脱ステを留まってくれる人が少しでも増えることを心より祈ります。
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