「経皮毒」を検索ワードにして、このブログを訪れてくれる人が最近増えたので不思議に思っていましたが、どうやらテレビ番組で「経皮毒のウソ」について特集が組まれたようです。
(僕が登録しているブログランキングでも経皮毒について書かれたものがいくつかあります。)
僕はその番組を見ていないので内容は解りませんが
前回の「経皮毒2」にも書いたように経皮毒は理論上、大きなウソがあります。
それは、
皮膚から吸収されリンパ管にたどり着いた物質は、代謝されずに体内にとどまるというところ。
実際は、
いずれ静脈に吸収され、肝臓で代謝され腎臓で排泄されるんです。
このように「経皮毒」は医学的に、ウソの理論で成り立っています。
こう説明すると必ず聞かれることとして
「では、皮膚から吸収された毒は体内に残る可能性は100%ないのですか?」
という質問です。
これに対しては
「医学的に証明されている範囲内で、皮膚から吸収された毒が体に貯まる(日常使用しているものに関して)などという事実はありません。」
と答えます。
そうするとですね
だいたい次に出てくるのが
「そうなると、医学は完璧ではないし、経皮毒が存在する可能性は100%否定出来ないのですね?」
という流れです。
これはもう経皮毒の存在を信じていらっしゃる方の質問です。
信じている方には、どのような説得をしてもなかなか言葉は届かないものです。
例えば
「経皮毒を信じていらっしゃるのなら、消毒された水道水や塩素が入ったプールの水は気にならないのですか?」
「あなたが触る全てのものには、なにかしらの塗料や化学物質が使われていますが経皮毒は気にしないでいいのですか?」
と聞いてはみるものの、本人にだけにしか解らない理論で納得されてしまうことが多い。
これは「脱ステ」でも同じことが言えます。
一度信じてしまったこと
これは理論や理屈ではなかなかくつがえせないのです。
と、まぁ長い前振りになりましたが
今日掘り下げて書きたかったことは、経皮毒でも脱ステでもなくて
「一度信じてしまったことを理論的に否定された時の人の心理」についてです。
皆さんは
「影響力の武器」(誠信書房)をご存知ですか?
この本は、人が騙される時の心理について、様々な具体的な場面を持ち出して解説したものです。
その中に「人は一貫性を保ちたい欲求がある」といった内容があります。
人間は一度行動を起こしてしまったり、納得してしまったものに対して、一貫性を保とう(一貫性を保っているように見られたい)とする欲求が出現します。
この本では面白い体験談が載っています。
ある超越瞑想プログラム(空中を浮遊したり、壁を通り抜けることが出来るようになる)の勧誘会に調査で参加した時のお話です。
瞑想プログラムについて、そしてその理論についての講義が終わり、質問時間となった時、
一緒に参加していた著者の友人の大学教授は、丁寧な解りやすい表現で彼らの理論を粉砕していきました。
どこかどう矛盾して、いかに非論理的であるのか。。。
勧誘する側も途中で返答に詰まってしまい、その大学教授の反論を最後には一部認めてしまうほどでした。
しかし、これらのやり取りを聞いていた参加者の数多くの人が、この瞑想プログラムに入会の手続きをとり始めたのです。
著者らは、どうしてこのようなことが起きたのか、実際に入会申し込みをした人に聞いてみました。
そこで解ったことは、彼らは大学教授の反論をしっかり理解した上で、入会申し込みしていたのです。
大変興味深かったのは、入会申し込みをしたある人物のコメントです。
「僕はもともと今晩申し込むつもりはなかったんだ。
今はお金も全く持ってないし。
でも、その大学教授が説明を始めた時、すぐに申し込みをした方が良いと思ったんだ。
このまま家に帰って、彼の言っていることを考え始めてしまったら、もう決して申し込むことがなくなると思って。」
つまり、この申込者は、自分の抱える大きな悩みを解決してくれる方法として、やっと瞑想プログラムを見つけたわけです。
それが大学教授によって理論的に打ち砕かれていく。。。
このまま信じるものをなくしてしまうと、また希望の持てない状態に戻ってしまう。
この危険から逃れる為に、考えることをやめ、思い切って入会してしまったのです。
入会してしまえば、後は自分がとった行動に一貫性を保たせれば良いだけの話です。
「もう入会してしまったし。。。」
「すでに実行してしまっているし。。。」
「沢山の苦労をしているし。。。」
考えることを避け、自分の一貫性を保つことは、とても便利で楽なことです。
以前の決定と一貫したことを信じ、行動することがいかに簡単なことか。。。
「脱ステ」も「経皮毒」も「アトピービジネス」も、一度実行してしまった人たち、決意してしまった人たちには、この一貫性のルールが働きます。
僕がいかにこのブログで、医学的な間違いを指摘しようが、論理の矛盾をつこうが、一貫性を保とうとする気持ちから、僕の言葉は耳に入らないことが多い。
読むことを途中でやめてしまうか、読んだとしてもとことんあらを探して全力で否定し始めるか。。。
「脱ステ」も「経皮毒」も「アトピービジネス」も、信じるところの最後の砦として、人々の心に存在していることが多い。
いや、最後の砦として信じ込まされている。
なので、自分が信じるものを打ち砕かれてしまえば、以前の希望の持てない状態に戻ってしまう。。。
本能的に、逃げるか、攻撃するかして自分を守り通そうとする。
「脱ステ」「経皮毒」「アトピービジネス」を信じていらっしゃる方
さて、ここで深呼吸しましょうか。
あなたが信じ込まされていることは
決して最後の砦ではありませんよ。
それが最後の手段ではない。
あなたは、本当に苦しくて、どうにも耐えられなくて
それを選んでしまった。
それはあなたが悪いのではない。
あなたが弱いのではない。
その時のあなたには、信じる何かがどうしても必要だっただけ。
でも今のあなたは、他に信じるものを見つけたり、探したり、動き出す力が出て来ているはず。
ほらだって、ここまでこの文章を読むことが出来たんだし。。。
後は勇気を持って踏み出すだけです。
そろそろ現実の世界に戻りましょう。
あなたが信じているものはウソです。
そこにすがってはいけません。
僕はずっとここで待っていますので、またいつでもこのブログにおいで下さい。
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。
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