掻いてしまう2つの理由
「掻く」という行為はもともと、体に付いた寄生虫などを払いのける動作として存在していたという説があります。
外からの異物の侵入を防ぐという意味のあった行動だったんですね。
しかし、衛生環境が整った現代社会では、この「掻く」という行動の本来の目的は消えつつあります。
そしてやっかいなことに、「掻く」という行動の負の面だけが残ってしまいました。
掻く事で、かゆみを更に引き起こしたり、皮膚に傷がついたり、
こういった肌へのダメージを、皆さんは嫌という程感じていると思います。
この「掻く」という動作をコントロール出来るだけでも、湿疹は相当良くなります。
なので、皮膚科医はみんな「掻かないでくださいね。」と無理な提案をするわけです。
言うは易し行うは難し。
「掻かないでください」と言われ、掻かないで済む人は皮膚科には受診しませんね(笑)。
掻く行動をコントロールするには、どんな時に掻くのか、その理由まで戻って考える必要があります。
よく思い出してみましょう。
あなたが掻いている時を。
「掻く」理由は大きく分けて2つあります。
一つは、痒いから掻く。
もう一つは、いつの間にか掻いている。掻くと安心する。
よくよく考えてみると、知らず知らずに掻いている事ありませんか?
ホッとした瞬間、緊張している時、なにか精神的な変化が起きたとき、気がつくといつもの場所をいじっていたり、引っ掻いていたり。。。
掻き始めてしまったら、どんどんあっちこっち痒くなって止まらない、なんてことありません?
さて「掻く」理由には2つあるわけですから、「掻かないようにする」対策もそれぞれ別にあるわけです。
痒みがある時に掻くのは、異物の侵入を防ぐといった目的を持つ生理現象です。
これは我慢でなんとか出来るものではありません。
きちんとステロイドを塗りましょう。
すぐにかゆみを抑えたいのなら冷やす事。
時々、熱湯でかゆみをとる方もいますが肌を痛めますのでお勧めしません。
この痒いから掻くという行動をやめなさい、と言う皮膚科医がたまにいますが、これはメチャクチャです。
「眠いのに体に悪いから寝てはいけませんと言われて、先生はずっと寝ないでいられますか?」
とかなんとか言い返してみてください(笑)。
それか
「痒いからなんとかして欲しいと受診しているのに、掻かないように我慢しろとはこれ何事じゃ。」
と言ってあげてください(笑)。
かゆみをしっかりとる為に、抗アレルギー剤やステロイド外用剤は存在しているわけですからね。
怖がらずに、正しく使えるようにしましょう。
では、もう一つの「掻く」理由。
精神的な理由で掻いてしまう、この行動はどう抑えたらいいでしょうか?
まず最初に日記をつけること。
3坊主で良いので、
いつ、どんなとき、どこを、どれくらい掻いたかメモに残す。
自分がどんな時に、どういう気持ちの状態の時に、どこの部分を掻いているのか知る事です。
あなたがよく引っ掻く場所は、いつも湿疹が悪化する場所でもあります。
顔の湿疹がなかなか良くならない方の中には、緊張するとつい顔をいじってしまう人がいます。
安心してテレビを見始めると、ぼりぼり背中を掻き始めてしまう人もいます。
まずは自分の癖を知る事です。
いつ、どこを掻いているのか気づく事が最初のステップ。
次に、この癖をどう直すか。
これは一朝一夕に出来るものではありません。
根気よくつき合っていくこと。
一般的には、イライラしたら手を組む。
手触りの良いクッションをいつも持っておき、掻きそうになったら触る。
お子さんの場合、掻いている手を取って一緒に踊る(楽しそうでしょ?)、などあります。
肌を触る事で安心してしまう癖を、他のものを触る事で安心するように少しずつトレーニングをしていきます。
身の回りにあるもの、手触りの良いもの、なんでも構いません。
何かひとつ決めておく事が大事です。
これまた、言うは易し行うは難し。
なかなかすぐに上手に出来るものではありません。
ゆっくり諦めずに取り組んでいきましょう。
間違えて欲しくないのは、
まずはちゃんとお薬を使って炎症やかゆみを抑える事です。
それが出来たうえでの、掻かない工夫が大事です。
ステロイド、外用の正しい知識を身につけて、しっかりお薬が使えるようになりましょうね。
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